我が82歳の人生と健康に感謝
平成28年12月18日
八木 眞之助
人生82歳ともなれば色々なことが起こるものである。つい2週間前には目の見え方がおかしくなり、病院へ駆けつけたら眼底出血であるといわれ、何とか早期手当てをして無事に収まった。今度は高齢者健康診断で何となしに申し込んだ前立腺がん検査でとんでもない結果が出た。前立腺がん検診では少しの血液で検査できるという特徴があり、近年非常によく利用されているとのことである。この検査で出てくるのはPSH(前立腺特異抗原)という数値であるが標準は4.0であるのに対して、私の検査結果はなんと150という結果が報告された。前立腺肥大又は前立腺ガンの疑いが高いということであった。
循環器でお世話になっている八王子医療センターの泌尿器科へ紹介状を書いてもらい、早速そちらに予約を取って精密検査をすることした。それでは前立腺とは何か?前立腺がんとは?について、インターネットを利用してちょっと勉強する。
前立腺は男性精液の一部を作る男性固有の臓器であり、図1に示すように膀胱、精嚢の前方に存在することが前立腺という名前の由来である。前立腺のセンターには尿道が通っており、普通は3〜4cm大のクルミの大きさである。また、直腸に接して存在し、肛門から指で簡単に触れることができるため、直腸診という診察が前立腺の異常の診断に有用である。正常な前立腺は円錐形を呈し、主に移行域と呼ばれる内腺部と辺縁域と呼ばれる外腺部からなっている。良性の前立腺肥大症は移行域から、がんの多く(約70%)は辺縁域から発生している。
図1 前立腺の位置と構造
前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生する。最近、これは遺伝子の異常が原因といわれているが、正常細胞がなぜがん化するのか、まだ十分に解明されていないのが現状である。単なる前線率肥大の場合には比較的簡単な手術で収まるようである。ガン細胞が見つかった場合はちょうっと厄介になる。前立腺がんは早期に発見すれば手術や放射線治療することが可能であり、また比較的進行がゆっくりであることが多いため、かなり進行した場合でも適切に対処すれば、通常の生活を長く続けることができるということである。
早期の前立腺がんには特徴的な症状は見られない。しかし、同時に存在することの多い前立腺肥大症による症状として、尿が出にくい、尿の切れが悪い、排尿後すっきりしない、夜間にトイレに立つ回数が多い、我慢ができずに尿を漏らしてしまうなどという症状が出て来ることが多い。前立腺の真ん中には尿道が通っており、前立腺が肥大すると尿道が圧迫されて尿の出が悪くなる。この場合は尿道からカテーテルで、尿道の拡大手術をする。せいぜい1週間程度の入院で退院できるということである。
前立腺がんが進行すると、上記のような排尿の症状に加えて、血尿や骨への転移による腰痛などがみられることがあり、腰痛などで骨の検査を受けて前立腺がんが発見されることもある。また肺転移がきっかけとなって発見されることもあると言われる。最近は人間ドックや一般の健康診断などの血液検査で、前立腺特異抗原対(PSA)を行う人が多くなっている。この検査は別料金となっており、八王子市の場合は3,500円加算されるが高齢者に方は是非やってみてください。
前立腺がん手術では、前立腺と精のうを摘出し、その後、膀胱と尿道をつなぐ処置がされる。一般的には前立腺の周囲のリンパ節も取り除かれる場合が多い。がんが前立腺内にとどまった状態にあり、期待余命が10年以上であるとされる場合には、最も高い生存率が保障できる治療法であると認識されている。
手術の方法には、下腹部を切開して前立腺を摘出する方法と、腹腔鏡とよばれる内視鏡下で切除する方法、さらにはロボットを使用する方法等がある。腹腔鏡による手術は開腹手術に比べて出血量は少ないものの、経験が浅い医師が執刀する場合は、手術時間が長い、尿禁制の回復が遅い場合などがあるといわれている。
2000年に皮膚に小さな孔を開け、精密な鉗子を持つ操作用手術ロボットを遠隔操作して行う、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術が登場した。開腹手術と同じくらいの経験が蓄積されてきていると言われる。ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術は、開腹手術と同等の制がん効果があることが知られている。2012年4月より保険適用になり、今後も手術法の選択肢の1つとして期待されている。現在、この手術方法に慣れた施設では、手術後7日前後で退院することが可能となっている。手術後は、カテーテルを尿道から膀胱まで挿入し、体の外に尿を排出する。排出された尿の色や量を観察し、問題がなければ、通常数日から1週間でカテーテルを抜くことができる。
前立腺がんに対しては、体の外から放射線をあてる外照射療法と、体の中から放射線をあてる組織内照射療法もあり、外照射療法では一般的に1日1回、週5日で7〜8週間の照射を行い、通常は通院による治療が可能である。前立腺の中に小さな放射線を出す物質(線源)を挿入することで行う組織内照射療法は、外照射療法と組み合わせて行われることもある。
前立腺ガンについては以上の通り、色々な治療手法が紹介されているが、最近は特に医療の進歩が著しく、今後大いに期待されるところである。人間70〜80歳を過ぎると体内の臓器もかなり老朽化していることでしょう。特に前立腺関連の老人病は痛みとか大きな目に見える症状があまりないため、見逃してしまう高齢者が多いようです。尿が出難いとか夜間の排尿回数が多いとかいう方は要注意です。私は年1回受けている市役所のW高齢者健康診断”で、それも何の気なしに受けた前立腺検査で異常値が見つかりました。前立腺肥大か前立腺がんかはまだわかりませんが、近く第一回目のMRIによる精密検査を行う予定であり、その結果によって、来年はまたまた忙しい年となりそうです。
高齢化に伴う体内臓器の老朽化は避けて通ることはできませんが、考え方によっては、こんなに長く、楽しく人生を送れたことに感謝の気持ちが湧いてきます。W我が82歳の人生と健康に感謝!”である。菱交会の皆さんも高齢期に入った方も多いことでしょう。健康には充分お気を付けて、長生きしてください!!!
(平成28年12月18日 記録)
(菱交会に投稿)